仮想通貨の怖さ(2)
仮想通貨の怖さシリーズその2です。
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(2)送金時に、アドレスを間違うと取り戻せない
実際に使ってみて特に怖いなと感じたテーマです。
仮想通貨は便利に送金出来ます。
しかしこのとき、アドレスを間違うと2度と取り戻せません。
■送金時に相手を確認出来ない
たとえば自分のBitcoinを自分の口座から別の口座へ移すために、送金手続きを取るとします。
もし銀行振込みであれば、支店と口座番号を入れると相手の名前が表示されます。(または自分で相手の名前を入力します)
しかしBitcoinの送金先は、無機質なアドレスの羅列です。
送金先を見たときに、それが合っているか間違っているかを判断する情報がありません。
■取り戻せない
そして送ってしまったあとに取り戻すことは出来ません。
相手が誰か分からないからです。連絡先がわかりません。問い合わせる先もありません。
ビットコインアドレスは、まだ使われていないものも含めて約1極通り存在すると言われます。
宛先を間違えると、誰も使っていないアドレスに送られてしまう事もありえます。
その場合、それを取り戻す事は出来ません。
何しろ「取り戻したい」と思っても、それを頼んだり相談出来る相手がいないのです。
ちなみに銀行口座なら組戻しという方法が存在します。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0fcd381b517567391d02d4d9d90cb945073e957c
仮想通貨は泣きつく先がありません。 警察に言っても、訴えても、アドレス情報だけでは相手先はまずわからないでしょう。
■送金事故は起こるのか?
起きる可能性はあります。
1.単純にコピペする元を間違った(Aさんのアドレスに送りたかったのに、うっかりBさんのアドレスに送った。アドレスがただの文字列なので間違いに気づきづらい)
2.コピペ操作が不十分だった(AとBの2箇所に送るときにコピペミスでAとAに送ってしまった)
3.コピペした文字が不完全だった(全文字列をコピーしていなかった、余計な文字が含まれた)
4.通貨の種類を間違えた(BTCなのにBTTのアドレスを指定した)
5.キーボードに触れてしまってアドレスが書き換わったのに気づかなかった
6.アドレスはあっていたが送金相手がそもそも詐欺だった
7.利用端末がハッキングツールに知らずにおかされていてアドレスが書き換えられてしまった……
上記のうち、3~5については、エラーになり送金失敗になる可能性があります。それはむしろラッキーパターンです。
おそらく各通貨、採番ルールやチェックサム等の仕組みにより、仮想通貨アドレスがちょっとおかしいくらいなら基本的に弾かれのでは思います。
ただ試したことはありませんし、採番ルールも各通貨まちまちなのでどの程度厳密かはわかりません。
このようにきっかけは様々考えられますが、いずれの場合にも、意図しないアドレスに送られた場合、取り戻せません。
但し送金相手の連絡先がわかっている場合には、取り戻すための行動は取れるでしょう。
とにかくここでお伝えしたいのは下記です。
・銀行なら口座番号を間違ったり詐欺にあったとしても、問い合わせたり相談する先があるしその相手を特定することが可能
・仮想通貨で送金先を間違った場合、その間違った送金先の「連絡先」を自分が知らない限り、調べようがない。だから取り返せない。キャンセルも出来ない。
とにかく仮想通貨の送金は本当に怖く、自分の持っているウォレット間で移動するときも緊張します。
■仮想通貨を送金時に失わないためのコツ
・アドレスを手入力しない。コピー&ペーストするか、QRコードを使って入力する
・取引所に送金先を登録しておき、登録済みのアドレスしか利用しない
・大量に送るときは、1度少額でテストして着金を確認してから続きを送る。もしくは全額でなく分割して送金する
基本的に、アドレスを手入力したりしなければそう簡単には事故は起きないと思います。
しかしたとえばシステムの不具合や乗っ取りで、表示されるアドレスが間違っていた場合などは、そこにひとたび送ってしまうともう取り戻すことはできません。
私は今のところ困ったことは起きていませんが、送金は仮想通貨を失うリスクが実は高い瞬間では無いかと感じます。