仮想通貨の怖さ(1)
今回から、仮想通貨の怖さシリーズです。
(1)仮想通貨は、適正価値が分からない
これは投資する前から分かっていたことですが、持っていてもやはりこのことは変わりませんでした。
前回書いたように、仮想通貨の価値は間違いなく感じます。
ではいくらが適正なのか!?
となると、もう全く頼りになるものが無い。
たとえばTetherのように、ドル価格を基準としているものなどは分かりやすいです。
しかし多くの仮想通貨、たとえば代表的なビットコインやイーサリアムを考えても、いったいいくらが適正か予想もできません。
たとえば株なら、
・その企業の稼ぐ力
・今企業が持っている資産
・事業の見通しや将来性
といった情報から、「少なくともこの勢いなら数年でこのくらい稼ぐだろう」「仮に買収されたり解散したらこのくらいの金額にはなるだろう」という推測が成り立ちます。
結果的に市場価格がいくらになるかは読めません。不正会計が発覚したり大事故が起きたりと不測の事態が起きるかもしれません。
でも今ある情報から推測するに"少なくともこのくらいの価値はありそうだ"という予想ができるのです。
不動産もそうです。
土地は路線価から考えるといくらで、建物の延べ面積はどの程度で、築年数や周りの相場から考えていくらくらいで貸せそうで……と、自分なりにいくらなら適正価格だというものを推測することが出来ます。
将来はわからないにしても、今東京の一等地にこのくらいの広さの土地で上モノの状態がこれなら、少なくともいくら位では売れそうだ、というような考えが可能です。
しかし仮想通貨は全く違います。
今いくらで取引されているというのはとりあえず分かりますが、じゃあそれって適正なのか?上がるとしたらどこまで?下がるとしたらどこまで?というのがもう全く分からないのです。
需要と供給の結果、価格が決まりますが、その拠り所がありません。
投機として考えるとそれはいいところでもあるのですが、資産として考えたときにこれだけ心もとないことはありません。
人気投票のような感じで、今人気があるかどうか、だけでそのまま価格が決まってしまうようなものです。
現物資産でいうと金(ゴールド)も似たような性質があります。
政府の裏付けはなく、需要で価格が決まり、いったいいくらが適正かはわかりません。
ただ金は長い歴史もありますし、何より現物そのものが"物"としての価値を持っています。
仮想通貨はそれすらありません。
(別のいい面はありますが)
そして、仮想通貨と一口に言ってもそれぞれ性質や運営方法が違います。
一部の管理者が自由に通貨を発行出来てしまったり、そもそも適正に取引されているのかすらわからないものもあります。(ものもありますというより大半が怪しい)
前回書いたように、仮想通貨の価値は確かにあると言っても、じゃあお金で考えたときに1BTCはいくらくらいの価値があるのか?が分からない。
いや手がかりになるものすらないのです。
みんなが欲しがるか、欲しがらないかだけで価格が決まり、その結果自分の資産価値も変わってしまうのです。
ということで、100種類も買ってから言うのもなんですが、仮想通貨の適正価値を考えようとしても頼れるものが全くないし、どこで下げ止まるか分からないというのが1つ目の怖さです。
持つ前から分かっていたことですが、あらためて実感する日々です。